Story
2020年11月の深夜。大道路沿いにあるバス停の細いベンチに、うつむくように腰をかけた北林三知子(45)が仮眠をとっている。このところ一気に冷え込むようになった。手持ちのコートではこの先の寒さには耐えられないかもしれない。向こうからコンビニ袋を下げた男がやってくる。男は生垣から石を拾ってコンビニ袋の中に入れる。キャリーケースに頭をもたげた三知子はそれには気付いていない。男は三知子のすぐ前で立ち止まり、コンビニ袋を頭上に振り上げた―。三知子は以前まで、焼き鳥屋で住み込みアルバイトとして働いていたが、突然のコロナ禍により仕事と家を同時に失ってしまう。新しい仕事もなく、ファミレスや漫画喫茶も閉まっている。途方に暮れる三知子の目の前には、街灯が照らし暗闇の中そこだけ少し明るくポツリと佇むバス停があった…。これは、ある日誰にでも起こりうる、日本の社会の危惧すべき現状を描いた物語である―。
Staff
監督:高橋伴明 1949年生。奈良県出身。
1972年「婦女暴行脱走犯」で監督デビュー。以後、若松プロダクションに参加。
60本以上のピンク映画を監督。
1982年「TATTO〈刺青〉あり」(主演:宇崎竜童)でヨコハマ映画祭で監督賞を受賞。
以来、脚本・演出・プロデュースと幅広く活躍。
1994年「愛の新世界」(主演:鈴木砂羽)で大坂映画祭監督賞受賞し、
ロッテルダム映画祭での上映された。
主な監督作品、2001年「光の雨」(主演:萩原聖人)、
2005年「火火」(主演:田中裕子)、
2008年「丘を越えて」(主演:西田敏行)、
「禅ZEN」(主演:中村勘太郎)、「BOX袴田事件 命とは」(主演:萩原聖人)、
2015年「赤い玉、」(主演:奥田瑛二)、
在宅医療をテーマにした「痛くない死に方」(主演:柄本佑)など。
脚本:梶原阿貴 音楽:吉川清之
主題歌::Tielle 「CRY」(ワーナーミュージック・ジャパン)
製作:人見剛史 小林未生和 長尾和宏 髙橋惠子
エグゼクティブプロデューサー:鈴木祐介
プロデューサー:角田陸 小林良二 見留多佳城 神崎良 佐久間敏則
撮影監督・編集:小川真司 照明:丸山和志
録音:植田中 美術:丸尾知行 装飾:藤田徹 衣装:青木茂
ヘアメイク:結城春香 VFX:立石勝 アクセサリー指導:ななし・水城
制作担当:櫻井陽一 助監督:塚田俊也
配給:渋谷プロダクション 制作会社:G・カンパニー
(c)2022「夜明けまでバス停で」製作委員会
2022/JAPAN/ビスタ/5.1ch/DCP/91min
Comment
「自己責任」でなく「相互扶助」が大切だと改めて感じた。
田原総一朗(ジャーナリスト)